【AWS】気づいたら月10万円超え!?予算管理サービスを完全理解しよう
2026年4月13日
「先月のAWS料金が思ったより高いんだけど...」という経験、ありませんか?
AWSはとても便利なのですが、うっかり大量のリソースを起動したまま放置してしまったり、想定外のデータ転送料金が発生していたり...という「クラウド破産」の話を耳にすることがあります。怖いですね!
今回の記事では、AWSの予算管理・コスト管理に関するサービスをまとめて解説します!お財布を守るためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
AWSのコスト管理サービス全体像
まずは、どんなサービスがあるのか全体像をざっくり把握しましょう。
| サービス名 | 主な役割 | 一言で言うと |
|---|---|---|
| Cost Explorer | コストの可視化・分析 | 「先月何にいくら使ったか」を見る人 |
| AWS Budgets | 予算設定・アラート通知 | 「使いすぎたら教えて!」をする人 |
| Cost Anomaly Detection | 異常なコスト増加の検出 | 「なんか急に増えてない?」を察知する人 |
| Cost and Usage Report | 詳細なコストレポート | 「細かく全部教えて」って人向け |
| Savings Plans | コミットメント型の割引 | 「毎月それなりに使うから安くして」という人 |
| Compute Optimizer | リソース最適化の提案 | 「あなた使いすぎですよ」と教えてくれる人 |
それぞれ詳しく見ていきましょう!
AWS Cost Explorer
AWSが提供するコスト分析ツールです。グラフや表で「どのサービスに」「いつ」「いくら」使ったかを視覚的に確認できます。
え、マネジメントコンソールの請求画面とどう違うの?と思う方もいるかもしれません。
請求画面は「合計金額」がわかるもの。Cost Explorerは「内訳を分析」できるもの、という感じです。
たとえば、こんなことができます。
- ▸過去12ヶ月のコスト推移をグラフで確認
- ▸EC2・S3・RDSなど、サービスごとの費用を比較
- ▸リージョンごと、アカウントごとのコスト分析
- ▸将来のコストを予測する「コスト予測機能」
地味に便利なのが、「このままのペースで使い続けると来月いくらになるか」を予測してくれる機能です。月末に慌てなくて済みますね。
なお、Cost Explorerを有効にすると最大過去12ヶ月分のデータが確認できます。ただし、有効化してから過去データが反映されるまで24時間程度かかるので、急いでいるときは要注意です。
費用はクエリ1件あたり0.01USDとかなり安め。気軽に使えますね。
AWS Budgets
「予算を設定して、超えそうになったらメールで通知してほしい!」というときに使うサービスです。
これが無料かと思いきや、月に2つまで無料で、3つ目以降は1つあたり月0.02USDかかります。まあ安いですね。
設定できる予算の種類は4つです。
| 予算タイプ | 内容 |
|---|---|
| コスト予算 | 月の合計費用に上限を設ける(最もよく使う) |
| 使用量予算 | EC2の使用時間など、使用量に上限を設ける |
| Savings Plans予算 | Savings Plansのカバレッジを管理する |
| リザーブドインスタンス予算 | RIの利用率やカバレッジを管理する |
アラートのしきい値は、「実際のコスト」でも「予測コスト」でも設定できます。「今月まだ15日なのにもう予算の80%使ってる!」みたいな事態を防ぐには、予測コストでの設定がオススメです。
通知先は、メールアドレスのほか、Amazon SNSを使ってSlackなどに通知することも可能です。PagerDutyと連携してオンコール通知にする、みたいな運用もできますよ。
また、AWS Budgets Actionsという機能を使えば、予算超過時に自動でIAMポリシーをアタッチしたり、EC2/RDSを停止したりすることも可能です。なかなかパワフルですね。
AWS Cost Anomaly Detection
「なんかコストが急に跳ね上がっているんだけど、原因がわからん!」というシチュエーションに活躍するサービスです。
機械学習を使って「いつもと違う異常なコスト増加」を自動で検出してくれます。
例えば:
- ▸開発環境でGPUインスタンスを誤って大量起動してしまった
- ▸APIを叩きすぎてデータ転送量が爆増した
- ▸Lambdaが無限ループになって実行回数がとんでもないことになった
みたいなケースを、自動で「これ異常じゃない?」と教えてくれます。
設定方法はシンプルで、「モニター」を作成するだけです。
| モニタータイプ | 説明 |
|---|---|
| AWSサービス | 特定のAWSサービス(EC2など)ごとに検知 |
| 連結アカウント | Organizations配下のアカウントごとに検知 |
| コストカテゴリ | 自分で作ったコストカテゴリごとに検知 |
| コストアロケーションタグ | タグごとに検知(例:Projectタグ別) |
検知したときのアラートはメールで届きます。しかも「これは異常か正常か」の判断まで勝手にやってくれる(機械学習えらい)ので、細かい閾値の設定をしなくてもよいのが嬉しいですね。
費用はなんと**無料!**太っ腹ですね。
AWS Cost and Usage Report(CUR)
「もっと細かいデータがほしい!分析基盤に流したい!」という方向けの、最も詳細なコストレポートです。
S3バケットにCSV形式でレポートを出力してくれます。データの粒度は「時間単位」まで選べるので、「この時間帯にコストが急増している」みたいな分析も可能です。
Athena・Redshift・QuickSightとの連携ができるので、データウェアハウスに取り込んでBIツールで可視化する...みたいな本格的な分析基盤も組めます。
料金はS3のストレージコストだけなので、データ量によりますがかなり安いです。
ただし、CSV1行がリソース1時間分のコストデータになるので、大規模な環境だとファイルサイズがヤバいことになる可能性があります。^_^
Savings Plans
「毎月一定額以上はAWSを使うんだけど、もっと安くならないの?」という方向けの割引プランです。
1年または3年間、毎時N USD以上を使うことをコミットする代わりに、オンデマンド価格より大幅に安くなります。
| プランタイプ | 対象 | 柔軟性 |
|---|---|---|
| Compute Savings Plans | EC2・Lambda・Fargate | 最も柔軟(リージョン・OSを問わない) |
| EC2 Instance Savings Plans | 特定ファミリーのEC2 | やや固定(ファミリーとリージョンが固定) |
| SageMaker Savings Plans | SageMaker | SageMaker専用 |
Compute Savings Plansが最も柔軟で、「EC2のインスタンスタイプを変えたい」「Fargateに移行したい」という場合でも割引が継続されるのでオススメです。
割引率は最大72%オフになることもあります。太っ腹。
ただし、コミット期間中は途中解約できません。「やっぱ使わなかった!」となると損するので、事前にCost Explorerの「Savings Plans推奨事項」で試算してから申し込むのがオススメです。
リザーブドインスタンス(RI)との違いも整理しておきましょう。
| Savings Plans | リザーブドインスタンス(RI) | |
|---|---|---|
| 対象の柔軟性 | 高い(インスタンスタイプ変更OK) | 低い(インスタンスタイプが固定) |
| 割引率 | 最大72% | 最大75% |
| 支払い方式 | 全前払い・一部前払い・前払いなし | 全前払い・一部前払い・前払いなし |
RIの方が割引率はわずかに高いですが、柔軟性はSavings Plansが圧勝です。特段の理由がなければSavings Plansで良いかと思います。
AWS Compute Optimizer
「なんか過剰スペックなインスタンスを使っていそうで不安...」という方に向けた、リソース最適化の提案サービスです。
機械学習を使って、実際のCPU・メモリ・ネットワーク使用量を分析し、「このEC2インスタンス、t3.largeじゃなくてt3.mediumで足りますよ」みたいな提案をしてくれます。
対応しているリソースはこちら。
- ▸EC2インスタンス
- ▸EC2 Auto Scalingグループ
- ▸EBSボリューム
- ▸Lambda関数
- ▸ECSサービス(Fargate)
推奨事項のリスクレベルは「Very Low」「Low」「Medium」「High」「Very High」の5段階で表示されます。リスクが低い推奨は安心して従えますが、高いものは変更前に十分な検証が必要です。
基本機能は無料で使えます。より詳細な推奨事項を得るには「拡張インフラメトリクス」(有料)を有効にする必要がありますが、まずは無料版で試してみるのが良いと思います。
まとめ:どのサービスをいつ使えばいいの?
| シチュエーション | 使うべきサービス |
|---|---|
| 先月の費用の内訳を把握したい | Cost Explorer |
| 月の予算を設定してアラートを受けたい | AWS Budgets |
| 突然コストが跳ね上がったとき原因を知りたい | Cost Anomaly Detection |
| データ基盤でコストを深掘り分析したい | Cost and Usage Report |
| 長期的にコストを削減したい | Savings Plans |
| 過剰スペックのリソースを見直したい | Compute Optimizer |
「とりあえず何から始めればいい?」という方には、まずAWS Budgetsでアラートを設定して、Cost Explorerでコストを可視化するところから始めるのがオススメです。
これだけでも、「気づいたら月10万円超えてた!」という悲劇はかなり防げます。
いかがでしたでしょうか。
AWSのコスト管理は地味に見えて、実は運用の要です。私自身もAWSを学習する中で「コスト管理をちゃんとやらないとやばい」と痛感しました。
ちゃんとした予算管理サービスを使えば、クラウドのコスト最適化は難しくありません。まずは一歩踏み出してみましょう!
読んでくださりありがとうございました!